本 2015

「バグダッドの秘密」

クリスティのスパイ物は、過激な部分が抑えられているためか、ちょっとご愛嬌という印象を持っていたのですが、この作品はかなり面白いです。
ヒロインが、超前向き行動派の若き美人さんというのはとてもクリスティらしいのですが、バグダッドを舞台にちりばめた人物配置がなかなか巧妙。
誰が白か黒か全くわからない序盤が特にスリリングです。
真相が見えてくる部分の詰めが、もう二工夫くらい欲しいなあ・・とは思わされるのですが。(★★★★)

ちなみにドラマのトミーとタペンス。
原作の醍醐味?を改変してしまった部分が多く、見ていて残念に感じるのが・・ドタバタ空回りの香りがしてウムムでした。

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「ピーター・パン」

子供の頃に読んだ子供向けの本や、ディズニーのアニメで親しんだ世界。
大人になって読み返すと、最終章の締め方のまあ切ないこと。
大人になれない子供。
大人になりたくない子供。
大人になる必要のない子供。
誰からも大人になることを望まれていない子供。

ネバーランドに行けなくなるのも悲しいけど、この物語の本当のテーマは「お母さん」なんだというのが、バリの実生活と照らし合わせて考えると余計に切ないものが。
永遠の子供と永遠の母性の話だったんですね・・(★★★★)

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「ねじれた家」

ポワロもマープルも登場しない、殺された富豪の孫娘の婚約者が探偵役の小説。
でも素人探偵というわけでもなく、父親が警視総監。
もう一人、チビッコ探偵も登場します。
でも私が好きな軽妙な愛すべき持ち味は感じられないんですよね、読んでて「Yの悲劇」を連想してましたから。
「ああ、やっぱり」と思いつつ、余談ながら、解説で、被害者の息子達の妻が取り違えて記述されていたのがかなり気になります。(★★★★)

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「シンベリン」

映画「アナーキー」を以前観たので、思い出しつつ読めて面白かったです。
それより、解説に舞台上演の歴史について書いてあって、イモージェン役で評判がよかったのが、ヴァネッサ・レッドグレーヴとジュディ・デンチとあり、脳内変換ができないほど過去の、私の知らない若かりし姿の二女優のことなんだなあ・・と。
姿を想像できないけれど(失礼^^;)、名だたる演技派女優の確かな実力のルーツを知ったような感覚ではあります。(★★★★)

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「ロスト・ワールド ジュラシック・パーク」

「ジュラシック・パーク」の原作を読み終えて、映画の「ロスト・ワールド」を思い出そうとして「んん?」と思ったので、続編の原作も読んでみることに。
マルコムなるほどね~・・しかし読み始めて間もなく「んん?」と。
登場人物とか、映画の記憶と重ならない部分が散見されるため、気になって調べてみたら、なんと映画と小説(もはや原作と呼ぶことが出来ません)が同時進行で作られた「別物」なんだそうで。
そうなのか~T-REXの赤ちゃん&トレーラー落下事件など、重なるエピソードもありますが、構造も話が向かう方向も全然違います。
サラ・ハーディングがとんでもなく強くてかっこいい女性で、映画でジュリアン・ムーアがやってたサラとは印象が全く違うんですけど。
それからトレーラーを作ったドック・ソーンが、すごく男気と人情のある、いかしたおっさんでとてもいいです。
話そのものも面白い!別にアメリカに上陸しなくていいんじゃ!というわけで、断然小説支持派です。(★★★★★)

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「ジュラシック・パーク」

やっぱり面白い!
映画も物凄く面白かったですが、原作がずば抜けた面白さなのを改めて納得。
でも、読みながら名シーンをあれこれ思い出し、スピルバーグの演出のうまさに唸らされました。
しかし原作では、ウーとかマルコムとかハモンドとかがですね・・えーそうだったの!?と驚かされました・・。
映画また観たくなってしまいますね、パークをね。(★★★★★)

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「ネイビー・シールズ 最強の狙撃手」

「アメリカン・スナイパー」です。
本人による手記なので、退役してどのような生活を送っていてどう考えているか述べられて、作品は終わります。
ところが、映画観たから、クリス・カイルの最期を知っているわけです。
何度も危険に晒されたけど生き延びてるからある意味「無敵」なのかも・・とか、危ないところを運よく助かったから「守護神がついている」のかも・・というような著述が何度かなされています。
読みながら「あなたの命を奪ったのはイラク人ではないから、敵じゃなくて味方だから」とか、「あなたの血はイラクで流されるのではないから、まだその時が来てないから」とか思ってしまうのがもう、悲しくて。
クリス・カイルは英雄なのか、はたまた大量殺人者なのか、ということより、最強の狙撃手の命を奪った銃弾が発射されたそもそもの元凶が何なのか・・一番頭から離れないのはその点です。
そこも含めて、大変面白く読めた作品でした。
輝きと闇と。死の恐怖を超越した輝きと引き換えに知る闇は、時間も場所も逃げ場にならないほど深くて大きい。(★★★★★)

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「暗い抱擁」

メアリ・ウェストマコット名義の、つまりミステリでないアガサ・クリスティ作品。
ジョン・ゲイブリエルという粗野で野心的な男とプリンセスのようなイザベラという女性の物語を、足が不自由な主人公が語るという内容ですが、男サイドも女サイドもその実のところはわからないという、ぼかした表現になっているため、なんか誰の心情も理解できず、フラストレーションがたまるというのが本音。
高みに登れず、女を引きずり下ろそうとする男の苦悩と、そのままの男を愛して魂を救う存在となった女・・というのはわかるのですが、あれ、これって「トーマの心臓」のユーリとトーマみたいですね・・。
テーマは同じなんだろうな・・でも「暗い抱擁」は私にはいまひとつピンとこなかったです。(★★)

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「クロムウェルとイギリス革命」

研究書に手を出したというのがそもそもの・・・(冷や汗)
自分の知識を考えて、入門書を読むべきでした・・。
ホントにもう、上っ面しか理解できないし、読書の時に完全集中できないのに、こんなしっかりした内容の本読んじゃダメです。
でも、映画では窺い知れなかったクロムウェルに「へぇ~」と思わされた部分が多くあったのだけは、確かです(★★★)

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「死が最後にやってくる」

舞台がBC2000年のエジプトっていうんですが、展開されてる世界はセント・メアリ・ミードの旧家かと思いますね、まんま。
エジプトでなくてはいけない必然性は感じられません。
殺人方法がナイフや鈍器ではないという点が大きいです。
でもヒロインのレニセンブの人生観には、アガサの個人的な思いが相当こめられてる気がします。
マックス・マローワンとの人生を選んだ我に悔いなし!!ってね。(★★★)

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