本 2007

読書の覚書'07

チムニーズ館の秘密 (クリスティー文庫) アガサ・クリスティー 07/12/30
主役はアンソニー・ケイド?ポアロ物にも出てくるバトル警視が登場するけど彼は主役ではないですね。推理しながら読むと一杯も二杯もくわされます。当たったことといえば「この二人はくっつく」ということだけ(笑)よくひねってあるので真相見破るのは不可能じゃないでしょうか。 (★★★★)

アンディ・サマーズ自伝 ポリス全調書 アンディ・サマーズ 07/12/20
結成30周年でリユニオン、来年2月に来日も決定したポリスのギタリスト、アンディの幼い時からポリス解散に至るまでの半生記。ギタリストとしての腕のみならずさまざまな分野の芸術に通じている彼らしく、文の構成もうまく知性とイギリス人らしいユーモアが感じられてとても面白く読めました。しかし・・苦労人だったんだなぁ・・成功する前(これが長い)も成功後も。サラリと書いてあるけど涙チョチョ切れそうなことだらけです。 (★★★★★)

茶色の服の男 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) アガサ クリスティー 07/12/15
考古学者の娘アン・ペディングフェルドの冒険を描いた作品。「なぜエヴァンスに頼まなかったのか?」と似た、向こう見ずで美人なお嬢さんが勇気と機転をフル回転させて活躍する物語です。もてるんですよね、アンが・・。でも嫌味ではありません。二転三転する怪しい人物を推理するのも面白いです。 (★★★★)

パーカー・パイン登場 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) アガサ クリスティー 07/12/09
幸せ請負人、パーカー・パインが活躍する短編集。ポアロものにも登場するミス・レモンやオリヴァ夫人が顔を見せるのも楽しいです。前半の"○○の事件"と題する話が好き。若く美貌のラトレルやド・サラ嬢の変幻自在の活躍ぶりがいいです。後半はトラベルミステリーになってて、ポアロものに似ているため、パイン氏の影が薄い。でも最後の「デルファイの神託」は面白かったです。 (★★★★)

復讐の女神 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) アガサ クリスティー 07/11/22
マープルものとしては最後に創作されたもの。「カリブ海の秘密」の続編で、最初からマープルが登場し、正真正銘のヒロイン。"復讐の女神=ネメシス"というのがマープルその人を表しており、全編彼女の魅力・強さに溢れたマープルものの傑作です。 (★★★★)

コンプレックス (岩波新書) 河合 隼雄 07/11/11
コンプレックスというとマイナスのイメージ。著者の専門的な解説に導かれながら読み進むと、最終章最終段が素晴らしく、ここを読むためにやや難解な部分も頑張って読んだ甲斐があったと思わされ、マイナスイメージは覆されました。 (★★★★)

ポケットにライ麦を (クリスティー文庫) アガサ・クリスティー 07/11/01
マザーグースから引用したミス・マープルもの。なかなか面白かったですが、読みながら「ポアロの方が好きだな~」と思っていました・・。でもラスト1ページにマープルの真髄があります。真犯人は第二の殺人の犯行現場でわかりました。慣れてきた?(笑) (★★★)

ドラゴンライダー2 エルデスト 宿命の赤き翼 (ドラゴンライダー (2)) クリストファー・パオリーニ 07/10/27
「エラゴン」の続編。長編作の第二部に位置する作品。ドラゴンライダーとして双肩に重過ぎるほどの責任と民衆の期待を背負わされ、戸惑い苦しみながらも成長していくエラゴンと若き雌ドラゴンのサフィラの物語と並行して、故郷に残され帝国の攻めを一手に引き受ける羽目になった従兄のローランの物語が描かれ、ぐんと厚みを増しているのが魅力的。タイトルであるエルデストの意味が明らかにされる終盤、続々編への興味は尽きません。 (★★★★)

家庭教師(かてきょー)ヒットマンREBORN! 天野 明 07/10/20
娘が今一番ハマッているコミック。強く勧めてくるので読み始めたら、これが結構面白い♪特にストーリー性&バトル色濃厚になってくる8巻以降がグイグイ読める。お気に入りはやはりリボーン、娘のイチオシ=コロネロとの2ショットが好きです(笑)獄寺くんもいいね。 (★★★★)

子どもの宇宙 (岩波新書) 河合 隼雄 07/10/09
子供の内なる世界の大きさ、奥深さと素晴らしさを子供と関わる大人に知ってもらおうという意図でまとめられた著作。現実生活とは違う空想の世界を内側に持ち、それがどのように現実に影響を及ぼしてくるか(その逆も)をカウンセリングの現場からの報告や数多くの児童文学の例をみながらわかりやすく解説してくれており、いつもながらその読書量の多さに驚かされました。 (★★★★)

家族関係を考える 河合 隼雄 07/09/26
まさにタイトルそのものの内容で、実際的な記述には孫・姪・娘・姉・妻・母・叔母である私自身の立場をさまざまな角度から投影して考えることが出来、なるほどと思わされる点が沢山ありました。知的で論理的でありながら大変わかりやすく高みからの目線ではない筆者の文章に追悼の意を捧げます。 (★★★★)

動く指 (クリスティー文庫) アガサ・クリスティー 07/09/25
タイトルが意味しているのは何なのか・・原題は「Moving Finger」と指一本。タイプのキーを一本の指で押していたからなのか。ミス・マープル初登場の作品のようですが、マープル登場は残り1/3ぐらいです。推理もモロはずれました(^^;)でも結末はクリスティーらしい♪ (★★★)

ダレン・シャン (小学館ファンタジー文庫) ダレン・シャン 07/09/04
12巻からなるバンパイアの少年の物語。作者名が主人公と同じで、自分語りの形式であることが最終巻まで読むと納得できます。私自身は主人公の心情表現がときたま言い訳めかしく感じられることもあり、ダレン少年にあまり肩入れできませんでしたが、伏線の張り方と各章の繋ぎ方の巧みさには感服、一度手に取るとどんどん読み進ませるパワーがあります。ダークですがよく出来た物語です。 (★★★★)

エラゴン 遺志を継ぐ者―ドラゴンライダー〈1〉 (ドラゴンライダー (1)) クリストファー パオリーニ 07/09/02
映画を先に見てから読んだ原作。「ロード・オブ・ザ・リング」の影響を強く感じさせるし、15歳のドラゴンライダー、エラゴンの境遇はルーク・スカイウォーカーを彷彿させるけれど、甘さうんと控えめなテイストがとても美味で面白いです。映画の続編より前に原作の続きを読んでしまうつもりです。 (★★★★)

クリスマス・プディングの冒険 アガサ・クリスティー 07/08/18
ポアロもの五編とマープルもの一編を揃えた短編集。表題作と他一編をメインディッシュに、他三編を添え物に、残り一編をシャーベットとコース料理にたとえたクリスティー自身の前書きも楽しいです。 (★★★)

ヘラクレスの冒険 アガサ・クリスティ 07/08/06
自身のファーストネームと同じヘラクレスの12の難業と関連付けて、ポアロが選んだ事件を華麗に解決していく短編集。趣向と遊び心を凝らした内容がとても面白いです。特に面白く読んでハハーンと思わされたのは「エルマントスのイノシシ」と「ステュムパロスの鳥」。他の10編もそれぞれ楽しめました。 (★★★★)

ブラック・コーヒー (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) アガサ クリスティー
小説版ではなく戯曲の方で、もう一編「評決」も収録されています。こちらはミステリーではないのですが、殺人が出てくるとひねった推理をしたくなるのは、悪い癖でしょうか?「ブラック・コーヒー」は、ポアロもヘイスティングスもとても"らしい"魅力に溢れたクリスティー本人ならではの戯曲です。 (★★★★)

カーテン―ポアロ最後の事件 (1982年) アガサ・クリスティ 07/07/02
ポアロ最後というだけあってヘイスティングズの筆も感傷的で悲しい。でもクリスティ女史が全盛期に書いてずっととっておいたというだけあって、どんでん返しの鮮やかさは群を抜く。作者のポアロへの強い愛を感じさせる、内省的な一冊です。 (★★★★★)

ヒッコリー・ロードの殺人 アガサ・クリスティー 07/06/19
舞台となるのはヒッコリー・ロードの学生寮。寮の持ち主や寮母、使用人を除いては若い人ばかりなのが新鮮といえば新鮮。「ヒッコリー、ディッコリー、ドック」というマザーグースの歌を知らないのが残念です・・。 (★★★)

マギンティ夫人は死んだ アガサ クリスティー 07/06/03
今回は登場人物が、というより容疑者に該当する人物が多い上、その個性をそれぞれ把握するのにやや手間取ったりで、なかなか難しかったです。それでも、グルメで几帳面なポアロが全く正反対なタイプの女性が仕切る宿で苦痛を強いられながら滞在するさまが笑えます。 (★★★★)

ポアロのクリスマス アガサ・クリスティー 07/05/18
血塗られたクリスマスです。クリスティー女史がうまくヒントを下さってるおかげで犯人特定までの人間関係はわりとすんなり推理出来ました。でもトリックは、そんなうまくいくかな~とちょっと首をひねらざるをえない・・。結構荒技です。 (★★★★)

もの言えぬ証人 アガサ クリスティー 07/05/07
真犯人知りたさで後半一気に読んでしまいました。面白かったです。"もの言えぬ証人"であるテリアのボブ君、証人というにはちと違うかな~という読後感が残りましたが、目撃者というニュアンスならうまいタイトルだと思います。ちなみに原題は「DUMB WITNESS」 (★★★★)

パンドラの匣 太宰 治 07/05/01
結核で健康道場に入所した20歳の若者の書簡の形をとった表題作と、16歳の少年の大学受験と俳優志望の夢と挫折を日記形式で描いた「正義と微笑」の二編を収めた作品。どちらも希望の光が爽やかですが、私は「正義と微笑」が好きです。日替わりで浮き沈みする若い気持ちが手にとるようによくわかり、思わずフフと笑いたくなるユーモラスな描写も多いです。 (★★★★)

ABC殺人事件 アガサ・クリスティー 07/04/25 真相そのものにはちょっと腑に落ちない部分もなきにしもあらずなのですが、独創性とテクニックを駆使して書かれた傑作だと思います。ポアロとヘイスティングズが好みの殺人メニューをあげる部分で、ポアロが提示したのは「ひらいたトランプ」の構図。この時からアイデアを暖めてたのでしょう。 (★★★★)

影の現象学 河合 隼雄 07/04/16
影・・人間のダークサイドであり無意識の世界であり抑圧されたもう一人の自分の姿であり・・。ユング派である著者の深い見識があり、夢分析の実例や、さまざまな言い伝えや文学作品から影の描写を取り上げており、ぞくぞくしながらも大変興味深く読み進みました。怖いながらものぞかずにはいられぬ影の世界。のぞいてよかったと思わされた作品です。 (★★★★★)

斜陽 太宰 治 07/04/07
戦後の没落貴族の行く末を、女性の美しい文体で描いた太宰のベストセラー小説。厳しくとも生きる道を選ぶかず子と対照的に自滅の道を選んだ弟、直治の日記や遺書が鋭い印象を与えます。直治には太宰の心情を、上原には境遇を重ねてしまい、なんとも悲しいものです。 (★★★★)

ビッグ4 アガサ・クリスティー 07/04/06
ポアロが扱った事件の中では一番スケールが大きいのではないでしょうか?一つの死体の謎をじっくり追っていくのではなく、死体も次々、事件も次々で、ポアロのトリックも極限までいってしまいます。面白いですが、さすがのクリスティー女史もこんな話ばかり書くわけにはいかないだろうと思わせますね。 (★★★★)

ゴルフ場殺人事件 アガサ クリスティー 07/04/03
エンド・ハウスの怪事件 アガサ クリスティ 07/03/14
マリー・アントワネット〈上下〉 シュテファン ツヴァイク 07/03/02
宴のあと 三島 由紀夫 07/02/03
雲をつかむ死 アガサ・クリスティー 07/01/31
アクロイド殺し アガサ クリスティー 07/01/19

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